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最高裁判所第一小法廷 昭和29年(あ)1270号 判決 1954年12月23日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人吉田賢一の上告趣意第一点は、違憲をいうが、所論被告人の自白が、強要、暴行、脅迫等の下になされたものであることは、これを確認するに足りる証拠がなく、従って、その前提において採用できない。(また、検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときは、刑訴三二一条乃至三二五条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができることは、同三二六条一項の規定するところであるから、この点に対する原判決の説示は正当であって、法令違反も認められない)。同第二点は、判例違反をいう点もあるが、所論引用の判例は、本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

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